クールな弟、実は最強で最恐の隠れシスコンでした〜ちなみに私は自他ともに認めるブラコンです〜
ん?声が聞こえた⁇
そう思って振り向いても誰もいない
あれ、幻聴かな?疲れ⁇
「おーい、隣だよ。どうしたの⁇」
!!!!
バッと効果音がつきそうな勢いで隣を見ると——イケメンがいた
ポカーン
口を大きくあける私は、すごくブサイクだったと思う。でも、今のわたしにはそれに気づく余裕はなかった
「おーい。大丈夫⁇どうしたの?僕、これ言うの3回目なんだけど。」
はっ
「あ、はいっ。なんですか⁇」
「なんですかって…。いや、困ってそうだったからどうしたのかなって訊いたんだよ?大丈夫⁇」
「あ、実は第1会議室の場所が分からなくて…。ご心配ありがとうございます。」
「会議室の場所⁇えっと…、2年生だよね?」
学年で色が違うシューズを見て、目の前の人が訊いてくる
「…行ったことがなくて。教えてもらえませんか?」
「全然いいよ。ていうか、第1会議室ってことは実行委員?」
「そうです。クラス対抗のオールマイティなんちゃら…?っていう新しくできた行事の実行委員になったんですけど…。」
「やっぱりそうなんだ。僕も実行委員なんだ。あと同じ2年生だし、敬語じゃなくていいよ?」
「はい…っじゃなくて、うん。」
すると、私の名札を見た彼は
「えっと、海藤さん?」
名前を訊いてきた
「そうで…だよ。ええと、あなたは⁇」
私が訊き返すと、心底驚いた顔をする彼
「え⁇僕のこと知らないの?…って、これめっちゃ自意識過剰な奴だね。」
「あ、うん。ナルシストって感じ?」
「ははっ!言うね〜。」
「ていうかごめんなさい、有名人なの?」
「いやいや、そんなんじゃないよ。僕は、1組の漣駿だよ。駿って呼んで。よろしくね。」
「私は海藤 美奈。2組です。美奈でいいよ!よろしくね〜。」
「組、隣だったんだね。」
「たしかに!」
「てか、もうこんな時間だ。急ごうか。」
「え!ホントだヤバい!!」
「美奈ちゃん、こっちだよ!」
救世主——駿くんに駆け足で着いていく
急がなきゃっ
これが、私、海藤美奈と漣駿くんの出会いだった。