【SR】また、月明かりの下で会いましょう。
***
車の時計を見ると
時刻は午前2時30分。
車に乗って
2時間が経とうとしていた━━━…
窓から見える景色は
段々と光が消えていき、
どうやら、
林が広がっているらしい。真っ暗な景色に
街頭が所々にポツリ。
車の中は緩やかな曲が流れるだけで━━━
子守唄のように聞こえて、ウトウトしてしまう…
私とハルは無言のまま。
そんな中、ハルが口を開く。
「ねぇ、姫乃ちゃん?
どうして家に帰りたくないの?」
「………ん…」
意識が朦朧としてて。
「だってさ?こんな知らない男の車なんか乗っちゃって。かなり辛い事があったんだろ?
って寝てるし…。」
ハルの言葉を最後まで聞く前に私は寝てしまった。
私を見ながら
苦笑いするあなた。
苦笑いした後に…
表情は一変し、
冷酷な顔になった事なんて。
寝ている私は知るはずもなく。
ピ………
《今日、午前0時頃
東京都A区で男性が拳銃で撃たれるという事件が発生しました。
犯人は夏目ハル容疑者23歳。逃走している模様です。
警察は夏目容疑者を
全力で捜索中との事です。
また、事件現場付近で
桜木財閥の一人娘
姫乃さんの行方が分からなくなってる事から…事件に…》
ピ………
これからの私達の運命は
月だけが知っていたのかもね━━━
* 第1話 終 *