【SR】また、月明かりの下で会いましょう。
***
朝日の眩しい光が
車内に入り込む。
「………ん…」
目を覚ました私は、
眠い目を擦りながら、周りを見渡した。
そして━━━…
ハルの車に乗ったまま寝てしまった事に気付いた。
“ここはどこ………?”
と、窓越しに外を見ると。
周りに何台か車が止まっている。
どうやら…ここは何処かの駐車場みたいで。
目の前のフロントガラスからは、
大きなレンガ造りの建物が建っているのが見える。
見覚えのあるこの建物と景色。
確か…この近くには
大きな公園があって…。
真っ白なチャペルもあったハズ。
そうか━━━
ここは…昔よくパパときた。
パパの…美術館だ。
「おはよう、姫乃ちゃん。」
と、朝から爽やかな笑顔。ドキッとしてしまう。
黒のダウンにジーンズ。
昨日の夜の暗闇では
あまり気付かなかったハルの服装。
朝日の光は、
ハルの印象を明確にさせる。
「お…おはようございます。ここは………」