【SR】また、月明かりの下で会いましょう。
私達は公園の舗装された
コンクリートの道を走り、逃げる。
綺麗に整備された公園。
右手側には、寒々しいたくさんの木々が一直線に立ち並び━━━
左手側には、
冬場では使われない水遊び場。
水が入ってないこの場所は大きな窪みがあるだけで。
「早く、探せ!囲んで逃げ道を作るな!」
「こっちにはいない!」
タッタッタ…
容赦なく追いかけてくる
何人もの刑事の声と足音。
私とハルはとにかく警察から逃れようと走り回った━━…
***
全力疾走で走り回って約20分。
肺と心臓と足が悲鳴を上げていた。
「ハァ…ハァ…ン…ハァ」
私は唾を飲み込み、少しでも水分を取る。
私の手を握りながら、
走っているハルの呼吸は、
綺麗に肩で呼吸をするだけで。
「この林の向こうに…白い…チャペルがあるの…」
ちゃんと、ハルの話が聞きたい。
そう思って…私はチャペルの方を指差した。