【SR】また、月明かりの下で会いましょう。
私の首筋から、
ツーーーーー
と一筋の血が流れる━━━…
カランカラン…
チャペルに金属音が響き渡り━━━
「どうして…………」
前屈みになっている
ハルの首からは、
銀色の丸いペンダントがぶら下がっていた。
「…なぁ。どうして、俺がアナタを車に乗せたか分かる?」
そう言って、ハルは私の胸に顔を埋め…
それから━━━
首筋から流れる血を止めるように…
唇で傷口を塞いだ。
月…
ペンダント…
懐中時計━━━
胸が締め付けられるこのキモチ。
私の頭の中で一枚の映像が出来上がった。
100年前、
ロンドン━━━━━
禁断の恋。
これは、きっと、私の前世の記憶。
天井を見ると天井の窓から、真昼の白い月が見えた。
ステンドグラスの隙間から見えた。
真昼の月と、
黒い影に追われる私達━━━…
* 第2話 終 *