【SR】また、月明かりの下で会いましょう。




「アンナさんには幸せになっていただきたいです。
私が幸せにしてあげたかったのですが…
生憎、使用人という身分ですし。血の繋がった兄弟であります。」

そう言いながら、髪の毛を右側に下ろし、
私の首にペンダントを掛ける。


「いつから、この事を知っていたのですか?」


「私〔ワタクシ〕がこの家に来てからですから…2年ほど前から。」

右側に下ろされた
私の長い髪の毛を
バサッと後ろに戻す。


「私…あなたに惚れていたのですよ?」


「私〔ワタクシ〕も同じように。」


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私とあなたの出逢いは
2年前━━━

私は私邸舞踏会の帰りだった。

庭を通り玄関に向かう私に、男の人の影が見えた。


「月…綺麗ですね…」
と、柔らかい声。


「そうですね。」


白く、ぼやけた月は幻想的で。あなたとの出逢いが印象深くなりました。



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