【SR】また、月明かりの下で会いましょう。
こんな家
物心ついた時から
大嫌いだった。
桜木家に私の決定権は
ない。
全てパパとママが決める。
学校も、習い事も、洋服も。
まだそれだけならいい。
『この人が将来、姫乃の結婚相手になる人だ。』
こんな風に、
私のこれからの人生まで決められてしまうと…
目の前が真っ暗になる。
小さい頃から
パパに言われてきた。
『桜木家に恥じないように行動しなさい。』
『桜木財閥に傷をつけないように。』
こうやって
世間体ばかり気にしていて。
パパとママは私の事なんてこれっぽっちも考えてないんだよ。
毎日、パパとママの機嫌を伺いながら、豪邸という檻の中で暮らす。
ロボットみたいに、親の言うとおりに行動する。
これが、桜木家の一人娘として生まれてきた私の運命。
こんな未来が見えない人生送るくらいなら…
1人で孤独に生きていった方が幸せなんだ。