いつまでも、側に。
Ⅱ. 始まり
4月。それは“始まりの季節”だと、誰もが言う。
僕もそう思う。
でも、僕が考える“始まり”とみんなが考えるような“始まり”は、違う。
僕にとっての4月は“地獄の始まり”なのだから。
「智紘〜、コーラ奢ってくれよ」
「あ、俺にも!俺にも!」
高校に上がってすぐ、僕はいわゆる“いじめ”というやつに遭ってしまった。
普段からこういうのを見定めてるんだろうなぁ、と思った。
机に落書きされる。教科書を破かれる。筆箱を捨てられる。詰られる。嗤われる。
漫画みたいだ、こんなこと実際にあるんだ、と思った。
自分に起きている“それ”が、本当に自分のことなのかわからなかった。
……何も感じなかった。
僕が通っている西和泉高等学校は入学・進級時、部活動か委員会のどちらかに必ず所属しなければならない決まりがある。
あいつらとバッタリか……と思いつつ、去年と同じようにソフトテニス部の項目に丸をつけた。
バッタリなのは向こうも同じだろう。
別に、僕から何もしなければいいのだ。
……といっても、向こうから絡んでくるんだけど。
面倒くさいなと思いながら、僕ひとりだった教室を抜けた。
僕もそう思う。
でも、僕が考える“始まり”とみんなが考えるような“始まり”は、違う。
僕にとっての4月は“地獄の始まり”なのだから。
「智紘〜、コーラ奢ってくれよ」
「あ、俺にも!俺にも!」
高校に上がってすぐ、僕はいわゆる“いじめ”というやつに遭ってしまった。
普段からこういうのを見定めてるんだろうなぁ、と思った。
机に落書きされる。教科書を破かれる。筆箱を捨てられる。詰られる。嗤われる。
漫画みたいだ、こんなこと実際にあるんだ、と思った。
自分に起きている“それ”が、本当に自分のことなのかわからなかった。
……何も感じなかった。
僕が通っている西和泉高等学校は入学・進級時、部活動か委員会のどちらかに必ず所属しなければならない決まりがある。
あいつらとバッタリか……と思いつつ、去年と同じようにソフトテニス部の項目に丸をつけた。
バッタリなのは向こうも同じだろう。
別に、僕から何もしなければいいのだ。
……といっても、向こうから絡んでくるんだけど。
面倒くさいなと思いながら、僕ひとりだった教室を抜けた。