家族に虐げられた令嬢は王子様に見初められる
そしてパパはソフィアを睨みつけた。
「ついにやってくれたな。いつかは人に危害を加えるんじゃないかと思っていたんだ」

パパが個室へと入り込んできてマルクの様子を確認しはじめる。

マルクはしっかり呼吸をしていてお酒臭いのだけれど、それよりもソフィアのせいで怪我をしていないかどうかが気がかりになっているみたいだ。

「嘘よね。こんなこと、してないわよね?」
質問しながらママが恐る恐る小部屋の中へと入ってきて、ソフィアの前に座った。

ようやく自分の話を聞いてれるかもしれない。
そう思ってうーうーと口枷の下から声を漏らす。

「あなた、ソフィアがなにか言いたそうにしているわ」
「そんなのほっとけばいい。それよりマルクを助けないと」

「でも……」
「早く手伝え!」

大柄なマルクをパパ1人で小部屋から外へ運び出すのは大変な作業だ。
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