家族に虐げられた令嬢は王子様に見初められる
☆☆☆

イザベラから聞いた話だと、マルクは一週間の入院が必要になったらしい。
身の危険を感じたソフィアは自分の力を制御することなく、マルクへぶつけてしまったのだ。

だけどもちろんそんなことが街の人にバレるわけにはいかない。
マルクは酔っ払って自分でこけて背中を壁にぶつけた。

ということにされたようだ。
お酒で酔わせて言うことを聞かせた上、事故に見せかけるなんてイザベラの悪知恵がとことん恐ろしくなる。

「さぁ、ソフィア。今度こそ本当のことを説明するんだ」
目の前で仁王立ちをしているパパを見上げてソフィアは涙目になった。

マルクが入院してからもう何度目か。
パパとママは何度も小部屋に足を運び、ソフィアからなにがあったのか聞き出そうとしていた。
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