家族に虐げられた令嬢は王子様に見初められる
☆☆☆

「パパ、ママ、私怖いわ」
温かいリビングのソファに座ったイザベラは自分の体を抱きしめて震えた。

その両隣には両親が心配そうに寄り添っている。
「大丈夫だよイザベラ。もう誰にもお前を傷つけたりはさせないからね」

パパがイザベラの肩を抱く。
それでもイザベラの震えは止まらなかった。

「私ソフィアに殺されかけたのよ!? あの子がこの家にいる限り安心なんてできない!」
「イザベラ……」

ママがイザベラの手を握りしめて、パパへ視線を向ける。
「もうソフィアをこの家には置いておけない。そうでしょう? パパ、ママ」

イザベラのうつむいたその顔には笑顔が浮かんでいた。
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