家族に虐げられた令嬢は王子様に見初められる

こんな風にマルクがビクビクした様子を見たことなんて、今まで1度だってないのだから。
絶対になにかがあったに違いない。

そう思ってマルクに更に質問を投げかけようとしたそのときだった。
足音が近づいてきたかと思うとイザベラが鉄格子の前までやってきた。

そしてその姿にソフィアは大きくため息を吐き出す。
今日のイザベラは１段とキレイだった。

広場でパーティがあったときよりももっともっとキレイ。
イザベラの内側に持っていた美しさが表に出てきたような、そんな感じがした。

「マルク。少しソフィアとふたりで話がしたいの」
「でも、危険なのでは」

「大丈夫よ。私達は姉妹なんだから、私を傷つけるようなことはしないわ。そうよね、ソフィア？」
質問の矛先をこちらへm樹蹴られたソフィアはぼうっとイザベラに見とれながらも頷いた。