家族に虐げられた令嬢は王子様に見初められる
元々ソフィアは家族や誰かを傷つける気なんてない。
イザベラから促されてマルクは渋々といった様子で部屋を離れていく。

マルクの姿が見えなくなるまで見送った後で、イザベラはようやくソフィアと向き直った。
「お姉さんとってもキレイ! 今日もパーティがあるの?」

食いつくように質問するソフィアにイザベラが微笑む。
「そうよ。パーティがあるの」

「やっぱり!? それはどこのパーティなの? また、隣国の王子様が来るの?」
それにしれては朝から広場が静かだけれど、ソフィアはこころが踊るのを感じていた。

またあの華やかさを感じることができるかもしれないと思うと、楽しみで仕方ない。
「今日は私のお披露目パーティなの」

「お披露目パーティ?」
首をかしげて聞き返す。

ソフィアは自分が知らない間に有名人にでもなったんだろうか。
芸術や音楽、文学の世界で成功しているのかもしれない。

ううん。
ソフィアの美貌ならもっともっと有名になれるのかも。
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