家族に虐げられた令嬢は王子様に見初められる
当時はどうして友達とあそべなくなってしまったのかわからなかったけれど、今ならわかる。
友達の家族が、ソフィアから友達を遠ざけたのだ。

妙な力を持つ娘。
変な子。

恐ろしい子。
そんな風に噂されているのが、嫌でも鮮明に想像できてしまう。

だから、外で力をつかうことはできない。
すべては自分の身を守るためでもあるから。

「大丈夫だって。周りに人がいないかどうか、私が見ていてあげる。ソフィアだって食べたいでしょう?」
そう言われてソフィアはまだ喉を鳴らした。

周りには誰もいないし、果物を落とすくらいなら時間はかからない。
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