家族に虐げられた令嬢は王子様に見初められる
そう言われてまたホッと胸をなでおろす。
と言っても、ここでの生活は今までの生活と百八十度変わってくるはずだ。

ここで働かせてもらうにしても、1から勉強しなきゃいけない。
「そういえば、君の家族のことなんだけど」

そう言われてソフィアはドキリとする。
誰も自分を助けてはくれなかった。

その家族のことを思い出すと胸が苦しくなる。
だけど、やっぱり家族は家族だ。

幼い頃の楽しい思い出がある限り完全に嫌いになることはできなさそうだった。
「ここで下働きをしたもらおうとおもう」

「下働き、ですか?」
「あぁ。詳細を言うと、洗濯や掃除をしてもらうということだな」

クリストフがそう言いながら窓へと近づいて行って外を見た。
ソフィアもそれについて窓の外を確認する。
< 132 / 138 >

この作品をシェア

pagetop