家族に虐げられた令嬢は王子様に見初められる
そこではパパママ、イザベラの3人がシーツを干しているところだった。
「じゃあ、私も洗濯係とかですか?」

質問するソフィアにクリストフが驚いたように目を見開いた。
そんなに驚くようなことを言っただろうか?

疑問に感じていたとき、クリストフがソフィアに向き合い、手を握りしめてきた。
突然のぬくもりにソフィアはとまどいの表情を浮かべる。

「僕がどうしてあの時声をかけたかわかる?」
あの時とはきっと、ダンスをしたときのことだろう。

あの時ソフィアはみすぼらしい恰好をしていた。
「わ、わかりません」

思い出して恥ずかしくなって視線をそらせる。
けれどそれをクリストフは許さなかった。
< 133 / 138 >

この作品をシェア

pagetop