家族に虐げられた令嬢は王子様に見初められる
それはほんの一部分だけだったけれど、家から飛び出してきたママにとっては十分衝撃的な映像として映った。
青ざめたママが駆け寄ってくる。

ママの後ろに立つイザベラは、今までにないほど冷たい視線をソフィアへ向けていた。
「ママ……」

ソフィアがなにも言い終わらないうちに平手打ちが飛んできた。
パンッと肌を打つ冷たい音が周囲に響き渡り、ソフィアは呆然としてイザベラを見つめた。

イザベラの口元にはかすかな笑みが浮かんでいる。
ソフィアはママに腕を掴まれて引きずられるようにして家の中へと入っていったのだった。
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