家族に虐げられた令嬢は王子様に見初められる
だけど家に迎えに来てくれたときにイザベラも玄関先に出てくることがあった。
そのときに羨ましそうな顔をしていたときはなかっただろうか。

イザベラもあの子のことが好きで、それで自分をこんな目に合わせたんじゃないだろうか。
そう考えれば考えるほどに、そうとしか思えなくなってきてしまう。

ソフィアは何度も目をこすって仲良く歩くふたりを見つめた。
夢じゃない。

幻でもない。
確かにあの二人は仲良く手をつないで歩いている。

「嘘でしょうイザベラ……」
ソフィアはショックのあまりその場にズルズルと座り込んでしまった。

冷たい床がソフィアの体を冷やしても今は少しも気にならなかった。
< 17 / 138 >

この作品をシェア

pagetop