家族に虐げられた令嬢は王子様に見初められる
☆☆☆

イザベラの企みを知ったソフィアは必死で両親に訴えた。
あのとき力を使えとそそのかしたのはイザベラだったこと。

今までだって、何度も力を使わされてきたこと。
だけど誰ソフィアの話を聞いてくれなかった。

信じてくれなかった。
「どうして信じてくれないの」

小部屋の中で悲しみに打ちひしがれているとき、足音が聞こえてきた。
ハッとして顔を向けると、ドアの向こうで足音が止まるのがわかった。

「どうしてだと思う?」
その声はイザベラだった。

ソフィアの胸にカッと熱のような怒りがこみ上げてきて、両手でドアを叩いた。
「イザベラ! ここから出して!」
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