家族に虐げられた令嬢は王子様に見初められる
しかもこのマルクが一緒なので思うように動くこともできなかった。
不思議な力のある娘を1人で行動させたくない気持ちは理解できるけれど、さすがにやりすぎだ。

「お姉さんは最近どうしてる?」
イジワルなマルク相手にまた質問をした。

こうして部屋の中にいると、どうしても話し相手がほしくなる。
そして短いにいる人間はマルクしかいない。

マルクはちらりとソフィアへ視線を向けたものの、無視して本へ視線を戻した。
この質問に答えるつもりはないみたいだ。

マルクが反応するときは、ソフィアへイジワルが言える質問のときだけだった。
「お姉さんはもう20歳でしょう? この前あったときはまだ19歳だったわ」

立派な大人に成長した姉のイザベラは学校を卒業後、広場に集まる子どもたちに遊びや勉強を教えていると聞いたことがあった。
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