家族に虐げられた令嬢は王子様に見初められる

☆☆☆

「ソフィア! ソフィアどこにいる!」
雷のようなパパの声が聞こえてきたのはソフィアとイザベラの二人がそれぞれの部屋に戻って寝る準備をしているときだった。

「ソフィア!!」
怒鳴り声と同時に部屋のドアが開けられてソフィアはんベッドの前に立ったまま呆然としてしまった。

パパの顔は真っ赤に染まり、その後ろに立つママの目もつり上がっている。
「どうしたの、ふたりとも怖い顔して」

質問しながら少しずつ後ずさりをする。
これほどまで怒りを表現している両親を見るのは初めてのことだった。

自分がなにをしてしまったのか考えるよりも先に恐怖心が湧き上がってきた。
「お前、今日庭先で力を使っただろう! 隣のロンさんが見てたそうだ!」

パパが激高している理由がわかった。
ソフィアはすぐに昼間ハンモックを片付けたときのことを思い出していた。
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