家族に虐げられた令嬢は王子様に見初められる
全身が汗だくで呼吸は荒く、今にも肺が潰れてしまいそうだ。

青年と共にその場に崩れ落ちるように座り込んだソフィアは耳を済ませて外の音を聞いた。
追いかけてきていた数人がふたりを見失い、「どこに行った!?」と、声をかけあっているのが聞こえてくる。

やがてその声もどこか遠くへと消えていき、ようやく呼吸も戻ってきた。
ソフィアは青年へ向けて小さく頷きかけると、エミリーにみつからないように小部屋へと向かったのだった。
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