家族に虐げられた令嬢は王子様に見初められる
☆☆☆
小部屋の前ではマルクがまだ寝息を立てていた。
ソフィアはその横をすり抜けて青年と共に小部屋に入り、自ら鍵をかけ直した。
「ここは?」
マルクを起こさないように青年が小声で聞いてくる。
「私の家。私の部屋よ」
ソフィアの返答に青年は顔をしかめて部屋の中を見回した。
狭く、じめじめとした室内には古い本が渦高く積み上げられている。
そして床に直接マットがひかれていて、薄いシーツがかかっているだけだ。
とても人がいる部屋とは思えないのはソフィアだってよくわかっている。
だけど相手はこじきの青年だ。
自分よりもよっぽどひどい生活をしているのは、もうわかっている。
「どうして鉄格子がついているんだ?」
「それはまた今度教えてあげる。あなたはここにいて」
小部屋の前ではマルクがまだ寝息を立てていた。
ソフィアはその横をすり抜けて青年と共に小部屋に入り、自ら鍵をかけ直した。
「ここは?」
マルクを起こさないように青年が小声で聞いてくる。
「私の家。私の部屋よ」
ソフィアの返答に青年は顔をしかめて部屋の中を見回した。
狭く、じめじめとした室内には古い本が渦高く積み上げられている。
そして床に直接マットがひかれていて、薄いシーツがかかっているだけだ。
とても人がいる部屋とは思えないのはソフィアだってよくわかっている。
だけど相手はこじきの青年だ。
自分よりもよっぽどひどい生活をしているのは、もうわかっている。
「どうして鉄格子がついているんだ?」
「それはまた今度教えてあげる。あなたはここにいて」