家族に虐げられた令嬢は王子様に見初められる
「あら、久しぶりねソフィア」
その日にはどうしてか、どういう変えの吹き回しかイザベラが小部屋の前にやってきた。

イザベラが着ている服はパーティのときに比べれば劣るものの、最高にキレイなものだった。
上質な生地で作られた一点物。

ずっと閉じ込められているソフィアでもそうとわかるものだ。
「どうしたのイザベラ、その恰好」

ソフィアは驚いているのを見てイザベラはその場でクルリと回って見せた。
上質なレースが揺れてキラキラと輝いている。

思わず見とれてしまう美しさだ。
「パパとママが私のために作ってくれたのよ。新しい靴もバッグも用意してくれたの。いいでしょう?」

自分には絶対に手に入らないものだ。
これを自慢するためにわざわざ小部屋に近づいてきたらしい。

そう理解してもイザベラの纏っている服に目は奪われたままだ。
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