家族に虐げられた令嬢は王子様に見初められる
ふたりの大きな声にマルクがピクリと体を震わせた。
ふたり同時に自分の口に手を当てて黙り込む。
マルクは体の体勢を変えるとすぐにまたイビキをかきはじめた。
ソフィアはホッと胸をなでおろし、そしてクリストフを睨みつけた。
今のはさすがに危ないところだった。
家の中に古事記がいると知られればクリストフはたちまち捕まってしまうだろう。
「なんてことするのよ。危ないところだったじゃない」
「危なくてもなんでもいい。こんな場所にいるくらいなら、こじきに戻ったほうがマシだ」
その言葉にソフィアは大きく息を飲んで目を見開いた。
ここよりこじきでいるほうがいい……?
本当だろうか。
ふたり同時に自分の口に手を当てて黙り込む。
マルクは体の体勢を変えるとすぐにまたイビキをかきはじめた。
ソフィアはホッと胸をなでおろし、そしてクリストフを睨みつけた。
今のはさすがに危ないところだった。
家の中に古事記がいると知られればクリストフはたちまち捕まってしまうだろう。
「なんてことするのよ。危ないところだったじゃない」
「危なくてもなんでもいい。こんな場所にいるくらいなら、こじきに戻ったほうがマシだ」
その言葉にソフィアは大きく息を飲んで目を見開いた。
ここよりこじきでいるほうがいい……?
本当だろうか。