家族に虐げられた令嬢は王子様に見初められる
「いや、やめて!」
ロープがソフィアの手足の自由を奪っていく。

こんな状態で小部屋へ入れられたら、本を読むこともできなくなってしまう!
体の字自由を奪われるという恐怖心が湧き上がってきて泣き叫ぶソフィア。

一瞬ママがつらそうな顔を見せたけれど、すぐにパパに肩を抱かれてリビングへと去っていく。
3人の家族の背中が遠くなる。

自分1人がいなければ幸せに見える家族たち。
私が邪魔者なことはわかっている。

1人だけ妙な能力を持って生まれたことが、家族たちをバラバラにしてしまっていることも、わかっている。
でも、でも……!

「誰か、助けて!!」
ソフィアは声の限り叫んだのだった。
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