家族に虐げられた令嬢は王子様に見初められる
イザベラはすでに外行きの服を着ていて、これから出かけることを自慢しに来たに違いない。

「私はこれからパパママと一緒においしいパイを食べに行くのよ。そこの広場にこの前オープンしたばかりのお店なの」

なるほど。
どうりで最近はおいしそうな匂いが小部屋まで入ってくると思っていた。

あの広場のそう遠くない場所にパイのお店が出店したようだ。
そう考えるとソフィアのお腹がグゥとなった。

あの事件以来、エミリーが持ってくる食事は朝も昼も晩もパン1枚だけになっていた。
食事を制限することで、力が弱まるだろうと考えたらしい。
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