俺の主人様

ポンちゃん


すぐ下は見えているのに進めない。
確実に掘れているのに。


「かわいい〜!!穴掘りしてる子抱かせて下さい!」


突然、視界が揺らいで
いくら足を動かしても進めない、戻れない。


やっと、地に足がついたところで
初めて嗅ぐ香り。


暖かな何かが、しきりに頭を触る。

「かわいいねぇ〜、何してたの?」

優しい声がして見上げた先には
いつもごはんをくれる奴ではない何か、、


形は同じ。
でも、それはとっても甘い匂いのする奴で。

後々に、これを人間だと知った。
そして、これがマユカとの出会いだった。
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