トップアイドルの恋 Season2〜想いを遂げるその日まで〜
「それではしばらくフォトセッションのお時間を取らせて頂きます」
司会者の言葉に、待ってましたとばかりにマスコミの関係者が舞台の下に詰め寄る。
「目線お願いしまーす!」
3人でカメラに笑顔を向けるも、矢継ぎ早にレポーターの質問が飛んできた。
「柏木さん!結婚についてひと言!」
「お相手はどなたですか?」
「交際期間は?」
ひと通り3人の写真を撮り終わると、監督がマイクを握った。
「えー、皆様。お待たせ致しました。それではこれより柏木 瞬のインタビューに移ります。時間も限られておりますので、質問はお一人一つまでとさせて頂きます。はい、どなたから参りましょうか?」
仕切り始めた監督に乗っかり、レポーター達が一斉に手を挙げる。
「では、そこの白いジャケットの女性からどうぞ」
指名されて、女性が立ち上がる。
「まずは確認させてください。結婚はこれからですか?それとも既に婚姻届は提出済みでしょうか?」
瞬が頷いてマイクで答える。
「ご質問ありがとうございます。婚姻届はまだ提出しておりません。皆様には事後報告ではなく、事前にお知らせしたいと思い、先のご報告となりました」
「はい。えー、では次はグレーのスーツの男性。どうぞ」
監督が真顔で場を仕切り、皆もそれに従う。
「お相手の方は一般の方ですか?知り合ったのはいつ?交際期間はどれくらいですか?」
「おお?!質問はお一人様お一つまでですよ?でも今回はおまけしましょう」
そう言って監督は瞬を促す。
「はい。3つお答えします。相手は一般人です。知り合ったのは、えーっとちょうど11年前ですね。交際期間はありません」
ざわっと場内がざわめく。
「それは一体どういうことですか?11年前に知り合っておきながら交際期間がないとは?デートもせずに、つい最近急接近して結婚を決めたということでしょうか?」
「おやおや、追加の質問は反則ですよ?でも今回もおまけしましょう」
監督が冗談交じりに言うが、誰も笑わない。
皆、瞬の一挙手一投足に注目していた。
「はい、お答えします。結婚を決めたのはつい最近ではなく、知り合って半年後くらいです。デートはしていないので、おっしゃる通り、デートもせずに結婚を決めたことになります」
ますます分からないとばかりに、皆は首をひねる。
「では次、白いブラウスの女性。どうぞ」
「えっと、まだ混乱しているのですが…。結婚を決意して10年以上経つ訳ですよね?お相手の方とはどこで密会していたのですか?我々報道陣はいつも目を光らせていましたが、柏木さんは全く浮いた噂もなく、ノースキャンダル。同棲をされている素振りもなかったですし…。なにかからくりでも?」
瞬はかすかに笑みを洩らす。
「からくり…?は、ないと思います。密会も同棲もしていません。相手の連絡先も知りませんでしたし」
「ええ?!では、電話したりメッセージを送ったりも?」
「していません。2週間前に初めて連絡先を交換しました」
そうなの?!と、舞台袖で見守っていた陽子が明日香に尋ねる。
「はい。結婚が決まってからお互いの実家に挨拶に行く時に、初めて教えてもらいました」
「嘘でしょー?!アナログすぎ!いつの時代よ?」
陽子が仰け反って驚くが、瞬のインタビューはまだ続いていた。
司会者の言葉に、待ってましたとばかりにマスコミの関係者が舞台の下に詰め寄る。
「目線お願いしまーす!」
3人でカメラに笑顔を向けるも、矢継ぎ早にレポーターの質問が飛んできた。
「柏木さん!結婚についてひと言!」
「お相手はどなたですか?」
「交際期間は?」
ひと通り3人の写真を撮り終わると、監督がマイクを握った。
「えー、皆様。お待たせ致しました。それではこれより柏木 瞬のインタビューに移ります。時間も限られておりますので、質問はお一人一つまでとさせて頂きます。はい、どなたから参りましょうか?」
仕切り始めた監督に乗っかり、レポーター達が一斉に手を挙げる。
「では、そこの白いジャケットの女性からどうぞ」
指名されて、女性が立ち上がる。
「まずは確認させてください。結婚はこれからですか?それとも既に婚姻届は提出済みでしょうか?」
瞬が頷いてマイクで答える。
「ご質問ありがとうございます。婚姻届はまだ提出しておりません。皆様には事後報告ではなく、事前にお知らせしたいと思い、先のご報告となりました」
「はい。えー、では次はグレーのスーツの男性。どうぞ」
監督が真顔で場を仕切り、皆もそれに従う。
「お相手の方は一般の方ですか?知り合ったのはいつ?交際期間はどれくらいですか?」
「おお?!質問はお一人様お一つまでですよ?でも今回はおまけしましょう」
そう言って監督は瞬を促す。
「はい。3つお答えします。相手は一般人です。知り合ったのは、えーっとちょうど11年前ですね。交際期間はありません」
ざわっと場内がざわめく。
「それは一体どういうことですか?11年前に知り合っておきながら交際期間がないとは?デートもせずに、つい最近急接近して結婚を決めたということでしょうか?」
「おやおや、追加の質問は反則ですよ?でも今回もおまけしましょう」
監督が冗談交じりに言うが、誰も笑わない。
皆、瞬の一挙手一投足に注目していた。
「はい、お答えします。結婚を決めたのはつい最近ではなく、知り合って半年後くらいです。デートはしていないので、おっしゃる通り、デートもせずに結婚を決めたことになります」
ますます分からないとばかりに、皆は首をひねる。
「では次、白いブラウスの女性。どうぞ」
「えっと、まだ混乱しているのですが…。結婚を決意して10年以上経つ訳ですよね?お相手の方とはどこで密会していたのですか?我々報道陣はいつも目を光らせていましたが、柏木さんは全く浮いた噂もなく、ノースキャンダル。同棲をされている素振りもなかったですし…。なにかからくりでも?」
瞬はかすかに笑みを洩らす。
「からくり…?は、ないと思います。密会も同棲もしていません。相手の連絡先も知りませんでしたし」
「ええ?!では、電話したりメッセージを送ったりも?」
「していません。2週間前に初めて連絡先を交換しました」
そうなの?!と、舞台袖で見守っていた陽子が明日香に尋ねる。
「はい。結婚が決まってからお互いの実家に挨拶に行く時に、初めて教えてもらいました」
「嘘でしょー?!アナログすぎ!いつの時代よ?」
陽子が仰け反って驚くが、瞬のインタビューはまだ続いていた。