トップアイドルの恋 Season2〜想いを遂げるその日まで〜
(もしかして、俺に対してだけじゃないのか?優斗達にも同じように、明日香はこっそり気遣っているのだろうか)
楽しそうな二人の様子に、ついつい醜い感情が湧き起こる。
(仕方ないか。俺は恋人でもなんでもない訳だし)
10年前、二人で気持ちを確かめ合いキスを交わした。
明日香も「瞬くんが好き」と言ってくれ、舞い上がるほど嬉しかった。
今も互いに想い合っていると信じたい。
だが月日を重ねるごとに仕事に対する責任感が大きくなり、ますます中途半端な態度は示せなくなっていた。
プライベートの連絡先も知らず、仕事で顔を合わせるだけの日々。
(10年か…。女の子にとっては長すぎる。ましてや明日香は一般人。いくらでも自由に恋愛出来るんだ。俺が縛り付ける訳にはいかない)
うつむいて小さくため息をついた時、「はい!じゃあ次は瞬くん」と明日香の声がした。
「あ、うん」
顔を上げると、明日香がすぐ目の前にいてドギマギする。
明日香は他のメンバーと同じように、瞬の身体のあちこちに手を置いてサイズを確かめ始めた。
「ん?瞬くん。もしかして筋トレしてる?」
「え?ああ、うん」
言い当てられて驚く。
まだ発表は出来ないが、数ヶ月後にクランクインする映画の主演を務めることになり、役作りの為にジムでトレーニングを始めたところだった。
(自分ですら、まだ成果を実感出来ていないのに)
明日香はメジャーで瞬の胸囲を測りながら、真剣に独りごちる。
「本番までにあと2cmは増えるかな。いや、3cm見ておく?」
至近距離で考え込む明日香に緊張して身を固くしていた瞬は、ふと明日香の胸元に光るネックレスが目に入った。
(珍しいな。明日香がアクセサリー着けてるなんて)
そう思った瞬間、またしても良からぬ想像をしてしまう。
(もしかして、男からプレゼントされたとか?)
だとしたらどうだというのだ。
自分には何も言う資格はない。
明日香が誰かのプレゼントを受け取っても、そして誰かと交際を始めても…。
(だけどそんなの嫌だ!)
想像するだけで胸が締めつけられ、ギュッと拳を握りしめた時だった。
「瞬くん。トレーニングは上半身だけ?もしかして、足も?」
明日香に首を傾げて見上げられ、瞬はハッと我に返る。
「あ、ああ、うん」
「そっか。それなら太ももも、少し余裕持たせておくね」
「ああ、ごめん」
「やだ、どうして謝るの?頑張ってね、トレーニング」
「うん。でもどうしてトレーニングって分かったんだ?お菓子の食べ過ぎじゃなくて」
「分かるわよ。だって…」
そこまで言うと、明日香はふふっと笑って瞬にグッと顔を近づけた。
え?とたじろぐ瞬の耳元で、明日香がささやく。
「優斗くんのお腹、ちょっとポヨポヨなんだもん」
そして正面に顔を戻すと、今の内緒ね!と人差し指を立てる。
一気に顔を赤らめる瞬の身体を、明日香は再びメジャーで測り始めた。
「それに引き換え、瞬くんの身体はキュッと締まってるもん。カッコイイね」
もはや瞬は顔が茹でダコのようになるのをどうしようも出来なかった。
楽しそうな二人の様子に、ついつい醜い感情が湧き起こる。
(仕方ないか。俺は恋人でもなんでもない訳だし)
10年前、二人で気持ちを確かめ合いキスを交わした。
明日香も「瞬くんが好き」と言ってくれ、舞い上がるほど嬉しかった。
今も互いに想い合っていると信じたい。
だが月日を重ねるごとに仕事に対する責任感が大きくなり、ますます中途半端な態度は示せなくなっていた。
プライベートの連絡先も知らず、仕事で顔を合わせるだけの日々。
(10年か…。女の子にとっては長すぎる。ましてや明日香は一般人。いくらでも自由に恋愛出来るんだ。俺が縛り付ける訳にはいかない)
うつむいて小さくため息をついた時、「はい!じゃあ次は瞬くん」と明日香の声がした。
「あ、うん」
顔を上げると、明日香がすぐ目の前にいてドギマギする。
明日香は他のメンバーと同じように、瞬の身体のあちこちに手を置いてサイズを確かめ始めた。
「ん?瞬くん。もしかして筋トレしてる?」
「え?ああ、うん」
言い当てられて驚く。
まだ発表は出来ないが、数ヶ月後にクランクインする映画の主演を務めることになり、役作りの為にジムでトレーニングを始めたところだった。
(自分ですら、まだ成果を実感出来ていないのに)
明日香はメジャーで瞬の胸囲を測りながら、真剣に独りごちる。
「本番までにあと2cmは増えるかな。いや、3cm見ておく?」
至近距離で考え込む明日香に緊張して身を固くしていた瞬は、ふと明日香の胸元に光るネックレスが目に入った。
(珍しいな。明日香がアクセサリー着けてるなんて)
そう思った瞬間、またしても良からぬ想像をしてしまう。
(もしかして、男からプレゼントされたとか?)
だとしたらどうだというのだ。
自分には何も言う資格はない。
明日香が誰かのプレゼントを受け取っても、そして誰かと交際を始めても…。
(だけどそんなの嫌だ!)
想像するだけで胸が締めつけられ、ギュッと拳を握りしめた時だった。
「瞬くん。トレーニングは上半身だけ?もしかして、足も?」
明日香に首を傾げて見上げられ、瞬はハッと我に返る。
「あ、ああ、うん」
「そっか。それなら太ももも、少し余裕持たせておくね」
「ああ、ごめん」
「やだ、どうして謝るの?頑張ってね、トレーニング」
「うん。でもどうしてトレーニングって分かったんだ?お菓子の食べ過ぎじゃなくて」
「分かるわよ。だって…」
そこまで言うと、明日香はふふっと笑って瞬にグッと顔を近づけた。
え?とたじろぐ瞬の耳元で、明日香がささやく。
「優斗くんのお腹、ちょっとポヨポヨなんだもん」
そして正面に顔を戻すと、今の内緒ね!と人差し指を立てる。
一気に顔を赤らめる瞬の身体を、明日香は再びメジャーで測り始めた。
「それに引き換え、瞬くんの身体はキュッと締まってるもん。カッコイイね」
もはや瞬は顔が茹でダコのようになるのをどうしようも出来なかった。