トップアイドルの恋 Season2〜想いを遂げるその日まで〜
「はい、本番行きます。よーい…スタート!」
次のシーンの撮影が始まった。
瞬と沙奈が健悟の手を繋ぎ、親子3人で歩いていく。
フリートークで楽しげに芝生の上を歩いているが、健悟はどこか表情が硬い。
下を見たまま、手を引かれて仕方なく歩いているといった印象だ。
「カットー!少し時間ください」
そう言って助監督が健悟に駆け寄る。
「大樹、大好きなパパやママと久しぶりに遊びに来たんだ。それを想像してみて。楽しいって気持ちをもっと出すんだ」
健悟はコクリと頷くが、その表情は硬いままだ。
「んー、ちょっと休憩取ります!」
瞬達3人は、パラソルの下に戻ってきてメイク直しを始める。
明日香も健悟の前にかがんで衣装を整えた。
「健悟くん。お洋服はどう?動きやすい?」
明日香が聞くと、健悟はうんと頷く。
「じゃあ、走ったりジャンプも出来そう?」
「うん、だいじょうぶ」
「ちょっと走ってみようか」
「あすかときょうそう?」
「え?ああ、うん。でも私、走れるかな」
ポツリと真顔で呟くと、健悟が笑い出す。
「あすか、はしれないの?」
「いや、走れるよ。でも最近走ってないからなあ。足がつったらどうしよう」
「じゃあ、いくよ。よーい…」
「え、もう?ちょっと待って」
「ドン!」
「ひー!待ってよー、健悟くん」
恐るべし3歳児の体力。
明日香は息も絶え絶えにあとを追いかける。
広い芝生を走り回って、戻ってくるとぐったりとしゃがみこんだ。
「あすか、ゆうしょうはおれ?」
「うん。健悟くんがぶっちぎりの優勝だよ」
「やったー!」
健悟は嬉しそうに母親の手を握り、ぴょんぴょんと飛び跳ねる。
「あすかもやって」
「はーい、ちょっと待って」
ヨロヨロと立ち上がると、明日香も健悟の片手を握った。
両手を母親と明日香に持ち上げられ、健悟は嬉しそうにジャンプする。
「もっとたかくして」
「行くよー。いちにの、さーん!」
明日香の声に合わせて、健悟は思い切り高く飛び上がる。
「ね、もっとたかく!」
「えー、これで精一杯だよ」
明日香の身長は165㎝だが、おそらく母親は155㎝程だろう。
母親に合わせるとあまり高くは持ち上げられない。
するとふいに後ろから声がした。
「健悟、俺とやろう」
え?と明日香が顔を上げると、瞬が健悟の頭をなでてから母親と交代して健悟の右手を握った。
「よし、行くぞ。いちにの、さん!」
瞬の声に合わせて明日香も思い切り高く健悟と繋いだ右手を上げた。
「わー、たかい!」
健悟は満面の笑みでキャッキャとはしゃいだ声を上げる。
「もういっかい!」
「いいぞ。いちにの、さん!」
慣れてきたのか、健悟もタイミングを合わせて地面を蹴り、空中に浮かび上がる感覚を楽しんでいる。
「すごーい、とんでるみたい」
「気持ちいいか?」
「うん!」
その時、撮影再開の声がかかり、瞬は健悟と手を繋いだまま撮影ポイントに移動する。
「よーい…スタート!」
先程と同じように、健悟を真ん中にして瞬と沙奈の3人が歩き出す。
健悟は繋いだ両手に身体を預けて、ぴょんぴょん跳ねながら歩いていた。
「大樹、いくぞ。いちにの、さん!」
瞬の声に合わせて健悟は飛び上がる。
沙奈も大きく腕を上げ、3人は笑顔で互いに顔を見合わせていた。
次のシーンの撮影が始まった。
瞬と沙奈が健悟の手を繋ぎ、親子3人で歩いていく。
フリートークで楽しげに芝生の上を歩いているが、健悟はどこか表情が硬い。
下を見たまま、手を引かれて仕方なく歩いているといった印象だ。
「カットー!少し時間ください」
そう言って助監督が健悟に駆け寄る。
「大樹、大好きなパパやママと久しぶりに遊びに来たんだ。それを想像してみて。楽しいって気持ちをもっと出すんだ」
健悟はコクリと頷くが、その表情は硬いままだ。
「んー、ちょっと休憩取ります!」
瞬達3人は、パラソルの下に戻ってきてメイク直しを始める。
明日香も健悟の前にかがんで衣装を整えた。
「健悟くん。お洋服はどう?動きやすい?」
明日香が聞くと、健悟はうんと頷く。
「じゃあ、走ったりジャンプも出来そう?」
「うん、だいじょうぶ」
「ちょっと走ってみようか」
「あすかときょうそう?」
「え?ああ、うん。でも私、走れるかな」
ポツリと真顔で呟くと、健悟が笑い出す。
「あすか、はしれないの?」
「いや、走れるよ。でも最近走ってないからなあ。足がつったらどうしよう」
「じゃあ、いくよ。よーい…」
「え、もう?ちょっと待って」
「ドン!」
「ひー!待ってよー、健悟くん」
恐るべし3歳児の体力。
明日香は息も絶え絶えにあとを追いかける。
広い芝生を走り回って、戻ってくるとぐったりとしゃがみこんだ。
「あすか、ゆうしょうはおれ?」
「うん。健悟くんがぶっちぎりの優勝だよ」
「やったー!」
健悟は嬉しそうに母親の手を握り、ぴょんぴょんと飛び跳ねる。
「あすかもやって」
「はーい、ちょっと待って」
ヨロヨロと立ち上がると、明日香も健悟の片手を握った。
両手を母親と明日香に持ち上げられ、健悟は嬉しそうにジャンプする。
「もっとたかくして」
「行くよー。いちにの、さーん!」
明日香の声に合わせて、健悟は思い切り高く飛び上がる。
「ね、もっとたかく!」
「えー、これで精一杯だよ」
明日香の身長は165㎝だが、おそらく母親は155㎝程だろう。
母親に合わせるとあまり高くは持ち上げられない。
するとふいに後ろから声がした。
「健悟、俺とやろう」
え?と明日香が顔を上げると、瞬が健悟の頭をなでてから母親と交代して健悟の右手を握った。
「よし、行くぞ。いちにの、さん!」
瞬の声に合わせて明日香も思い切り高く健悟と繋いだ右手を上げた。
「わー、たかい!」
健悟は満面の笑みでキャッキャとはしゃいだ声を上げる。
「もういっかい!」
「いいぞ。いちにの、さん!」
慣れてきたのか、健悟もタイミングを合わせて地面を蹴り、空中に浮かび上がる感覚を楽しんでいる。
「すごーい、とんでるみたい」
「気持ちいいか?」
「うん!」
その時、撮影再開の声がかかり、瞬は健悟と手を繋いだまま撮影ポイントに移動する。
「よーい…スタート!」
先程と同じように、健悟を真ん中にして瞬と沙奈の3人が歩き出す。
健悟は繋いだ両手に身体を預けて、ぴょんぴょん跳ねながら歩いていた。
「大樹、いくぞ。いちにの、さん!」
瞬の声に合わせて健悟は飛び上がる。
沙奈も大きく腕を上げ、3人は笑顔で互いに顔を見合わせていた。