トップアイドルの恋 Season2〜想いを遂げるその日まで〜
第十一章 要の二人
「では本番行きます。よーい、スタート!」
夜が明け始めた会議室に、またしても新たな情報が飛び込んでくる。
「犯人からのFAXです!」
ホワイトボードに貼り付けられる紙を皆で取り囲む。
「爆破予告?!」
そこには、鉄道の始発電車に爆弾を仕掛けた、と書かれていた。
「すぐに鉄道各社に連絡を!」
指示が飛ぶが、重ねて大きな声が響き渡った。
「犯人からのテレビ電話です!」
「なに?!リアルタイムか?」
パソコンの映像が大型モニターに映し出される。
前回と同じ殺風景な倉庫で、黒いマスクとマントを着た人物が声を変えて話していた。
『警察の皆さん。今頃全国の駅に駆けつけている頃でしょうか?どの電車のどの車両に爆弾があるのか、これから必死に調べるのですか?大変ですね。私が今から教えて差し上げますよ』
そう言って、右手を挙げる。
その手には何かのスイッチが握られていた。
まさか!
誰もが息を呑んだ時、犯人の背後に人影が動くのが分かった。
「楓…」
思わず瞬が呟くのと、沙奈が犯人の手からスイッチを奪うのとが同時だった。
『何をする!』
犯人が沙奈の腕を激しく掴むが、沙奈は懸命に振りほどき、力いっぱいスイッチを遠くに投げた。
広い倉庫の片隅、たくさんのガラクタがひしめき合う中に小さなスイッチは落ちる。
『こいつ…』
犯人は沙奈ににじり寄ろうとして、思い出したようにカメラに近づき通話を切った。
プツリと画面が消え、瞬は思わず叫ぶ。
「楓!!」
夜が明け始めた会議室に、またしても新たな情報が飛び込んでくる。
「犯人からのFAXです!」
ホワイトボードに貼り付けられる紙を皆で取り囲む。
「爆破予告?!」
そこには、鉄道の始発電車に爆弾を仕掛けた、と書かれていた。
「すぐに鉄道各社に連絡を!」
指示が飛ぶが、重ねて大きな声が響き渡った。
「犯人からのテレビ電話です!」
「なに?!リアルタイムか?」
パソコンの映像が大型モニターに映し出される。
前回と同じ殺風景な倉庫で、黒いマスクとマントを着た人物が声を変えて話していた。
『警察の皆さん。今頃全国の駅に駆けつけている頃でしょうか?どの電車のどの車両に爆弾があるのか、これから必死に調べるのですか?大変ですね。私が今から教えて差し上げますよ』
そう言って、右手を挙げる。
その手には何かのスイッチが握られていた。
まさか!
誰もが息を呑んだ時、犯人の背後に人影が動くのが分かった。
「楓…」
思わず瞬が呟くのと、沙奈が犯人の手からスイッチを奪うのとが同時だった。
『何をする!』
犯人が沙奈の腕を激しく掴むが、沙奈は懸命に振りほどき、力いっぱいスイッチを遠くに投げた。
広い倉庫の片隅、たくさんのガラクタがひしめき合う中に小さなスイッチは落ちる。
『こいつ…』
犯人は沙奈ににじり寄ろうとして、思い出したようにカメラに近づき通話を切った。
プツリと画面が消え、瞬は思わず叫ぶ。
「楓!!」