トップアイドルの恋 Season2〜想いを遂げるその日まで〜
「では最後に、観客の皆様と一緒に記念撮影を行います。準備が整うまで今しばらくお待ちください」
促されて、監督と瞬と沙奈は一度舞台袖にはける。
楽しそうに笑い合っている沙奈や明日香達の様子をなんとなく見ている瞬に、監督が声をかけた。
「瞬。アイドルってのは、こうも辛い仕事なんだな。カッコよくて当たり前、いつも笑顔でいて当たり前。ファンはお前達に『幸せでいて欲しい』と言っておきながら、いざ本人が幸せになろうとすると『裏切られた』と手のひらを返して離れていく。お前達の心の拠り所はどこなんだ?どうしてそこまで頑張れる?自暴自棄になって、何もかも投げ出したくならないのか?」
黙って耳を傾けていた瞬は、監督にふっと笑ってみせた。
「監督にもアイドル時代があったんですか?」
「そうなんだよ。若い頃はイケメンの藤堂王子と呼ばれて…ってバカ野郎。そんな訳あるか!」
「あはは!」
「いやだから、なんでそんなに笑ってられるんだ?」
「俺ってそんなに不幸に見えますか?充分すぎるくらい幸せですよ。たくさんのファンの人達が、俺達をテレビで見て笑顔になってくれる。ほんの少しでも誰かを幸せに出来るのなら、こんなに嬉しい仕事はありません。それに藤堂監督のような素晴らしい人達に巡り会えて、一緒に最高の作品を作らせてもらえる。俺の人生、捨てたもんじゃないなって思ってますよ」
瞬…、と監督は目を潤ませる。
「お前は誰よりも幸せになる権利がある。お前が幸せにならなきゃ、俺はイヤだ!」
「ははは!監督、子どもじゃないんですから。駄々こねないでくださいよ」
「イヤだ!そんなの絶対にイヤ!」
「はいはい。ほら、準備出来たみたいですよ。行きましょ」
笑いながら監督の背中を押し、瞬はまたにこやかに舞台に現れた。
促されて、監督と瞬と沙奈は一度舞台袖にはける。
楽しそうに笑い合っている沙奈や明日香達の様子をなんとなく見ている瞬に、監督が声をかけた。
「瞬。アイドルってのは、こうも辛い仕事なんだな。カッコよくて当たり前、いつも笑顔でいて当たり前。ファンはお前達に『幸せでいて欲しい』と言っておきながら、いざ本人が幸せになろうとすると『裏切られた』と手のひらを返して離れていく。お前達の心の拠り所はどこなんだ?どうしてそこまで頑張れる?自暴自棄になって、何もかも投げ出したくならないのか?」
黙って耳を傾けていた瞬は、監督にふっと笑ってみせた。
「監督にもアイドル時代があったんですか?」
「そうなんだよ。若い頃はイケメンの藤堂王子と呼ばれて…ってバカ野郎。そんな訳あるか!」
「あはは!」
「いやだから、なんでそんなに笑ってられるんだ?」
「俺ってそんなに不幸に見えますか?充分すぎるくらい幸せですよ。たくさんのファンの人達が、俺達をテレビで見て笑顔になってくれる。ほんの少しでも誰かを幸せに出来るのなら、こんなに嬉しい仕事はありません。それに藤堂監督のような素晴らしい人達に巡り会えて、一緒に最高の作品を作らせてもらえる。俺の人生、捨てたもんじゃないなって思ってますよ」
瞬…、と監督は目を潤ませる。
「お前は誰よりも幸せになる権利がある。お前が幸せにならなきゃ、俺はイヤだ!」
「ははは!監督、子どもじゃないんですから。駄々こねないでくださいよ」
「イヤだ!そんなの絶対にイヤ!」
「はいはい。ほら、準備出来たみたいですよ。行きましょ」
笑いながら監督の背中を押し、瞬はまたにこやかに舞台に現れた。