頑張って嫌いになります。
付き合えればいいと思って告白してたけど、それは浅はかな考えで、付き合ったあとのことなんて考えもしなかった。
案の定心配そうな顔で私を見る花恋に、私はヘラっと笑って見せた。
「花恋ってば、私より酷い顔してるよ?私最近寝不足でさー」
「……そ、そうなのね。ねぇ、日菜?別れてもいいと思うの私」
「っっ、!」
「お節介なのは分かってるんだけど、やっぱりは私は、日菜に笑って欲しい。親友として。毎日浮かない顔してるのは、ちょっぴり悲しい」
そうなんだよ。花恋は優しいから。
弱みを見せたがらない私に、あえて『実は彼氏が冷たい』なんて言わせない。
親友にこんなこと言わせるなんて、私は情けないな。
「ありがとう、花恋。ちょっと、考えてみるよ」
だから、そんな顔してないでって言うと、花恋は安堵した様子で、眉を八の字にして笑った。
***
放課後、いつもなら晃の所まで行って、一緒に帰ろう、と声をかけるのだけど、今日は辞めた。
花恋に『別れる』というパワーワードを発せられた今、とてもじゃないけど晃と話す気になれなかった。
晃はカッコイイ。誰が見ても分かる。私と釣り合う、?いいや、傍から見たら月とすっぽんだ。