頑張って嫌いになります。
もしかして、私と一緒に笑ったりするのが恥ずかしいのかな。
不安は不安を煽って、更に不安にさせた。
真っ直ぐ家路に重たい足を運ぶ。
「ねーねー晃、最近できたカフェめっちゃ美味しいホットケーキが売ってるらしいよ。行かない?」
「え、?あ……うん……」
目の前に映る現実的でない光景。
学年でも可愛いと言われてる杏珠ちゃんと、その隣で歩いているのは私の彼氏__晃だった。
まるで映画のスクリーンを見ているようだ。
「……晃っ?」
驚いた拍子に手に持っていた、定期テストに向けて教材を詰め込んだ重たいスクールバックが地面に、大きな音を忘れずに落下していく。
振り返る二人。
まるで彼氏彼女じゃないか。
まるで、私が惨めで仕方がないじゃないか。
まるで、私が捨てられたみたいじゃないか。
まるで、
____嘘みたいだ。
「え、日菜っ?」
焦った様子の晃。隣に勝ち誇った様子の杏珠ちゃん。