頑張って嫌いになります。
『分かった、付き合うよ』なんて言われたけど、もしかしてあれ冗談だったのかな。
晃が分からないよ。
ずっと晃と杏珠ちゃんのローファーを見ているせいで、晃がどんな顔をしてるのか分からなかった。
「じゃ、またね」
ニコッと笑って、その場を去った。、
まぁ、失恋なんて珍しくないことだよね。
だって、高校生だよ。少女漫画みたいに上手くいくもんじゃないことくらい分かってますよ。
別に泣いたりしないけど……したくないけどさ……っ。
「うぅ……っ」
やっぱり、好きだったんだよ。
「日菜っ、??」
晃じゃない。花恋だ。
晃は結局追いかけてこなかった。当たり前だ。
好きな子を置いて、好きでもない知らない馬の骨を追いかける男がどこにいるって言うんだ。
「日菜、忘れなよ。あんなやつ」
「……花恋」
「いい考えがあるんだけど」
花恋は私を優しく抱きしめて言った。
「___中条晃を嫌いになろう作戦開始、ね?」