頑張って嫌いになります。
メールもしていないし、されない。まぁ、晃からしたら、嬉しいことなのかもしれないけど。
私は冷静を保つことに精神統一させて、晃の机の上にプリントを置く。
置いてから素早く退散しようとしたのに、バシッと晃が私と腕を掴んだ。
「え、?」
「あのさ……この前の、なに」
鋭い目に、低い声。
私は咄嗟に目を逸らした。
「え、この前ってなにかな?あきっ、な、中条くん」
苗字で呼んだのは、距離をとるため。
「なに、中条って。晃って呼べよ」
晃の顔が見えない。
「いや、えっと……ごめん、中条くん。別に浮気……とか、私そこまで恨んでないし、誰かに言わないから安心して……?」
「いやだから、名前で呼べって「あのさ」
横から割り込んできたのは杏珠ちゃん。
「さっきからなに?浮気じゃないでしょ。竹内さんと晃くんは付き合ってないじゃん」
「は?お前何言って「私と晃くんはいい関係だから、安心してね?竹内さん」