恋の罠は酷く切ないけど甘い
「申し訳ありませんでした」
「大丈夫でしたか?」
すでににこやかな表情に戻り、玲衣さんと話す藤本社長に私は動揺を隠しきれなかった。
席に着くなり、私が黙り込んでいたことに違和感を持ったようで、玲衣さんは私の顔を覗き込む。
「志波、どうした? 酔ったか?」
「そうかもしれません」
確かに酔っていたが、今は完全に冷めてしまった気がする。
「それは行けませんね、タクシーを手配しましょう」
そんな会話をうわの空で聞いていた。
「志波、俺、一度、社に戻らないといけなくなったんだ」
店を出てホテルのエントランスまできた時だった。玲衣さんの言葉に私はすぐに口を開く。
「私も一緒に」
「いや、お前かなり飲んでるだろ? おとなしく帰れ」
スパッと言われてしまい、私は何も言えなくなってしまう。
「まだお仕事ですか? 月城さんもきちんと送らせますのでご安心を」
にこやかな笑みで藤本社長はそう言うと、玲衣さんに笑顔を向けた。
そんな彼に、少しだけ真顔で玲衣さんは、ちらりと私に視線を向ける。
二人にしないで欲しい、そんな思いから懇願するような瞳を彼に向け、口を開こうとした時、私と玲衣さんの間に藤本社長がスッと割って入った。
「大丈夫でしたか?」
すでににこやかな表情に戻り、玲衣さんと話す藤本社長に私は動揺を隠しきれなかった。
席に着くなり、私が黙り込んでいたことに違和感を持ったようで、玲衣さんは私の顔を覗き込む。
「志波、どうした? 酔ったか?」
「そうかもしれません」
確かに酔っていたが、今は完全に冷めてしまった気がする。
「それは行けませんね、タクシーを手配しましょう」
そんな会話をうわの空で聞いていた。
「志波、俺、一度、社に戻らないといけなくなったんだ」
店を出てホテルのエントランスまできた時だった。玲衣さんの言葉に私はすぐに口を開く。
「私も一緒に」
「いや、お前かなり飲んでるだろ? おとなしく帰れ」
スパッと言われてしまい、私は何も言えなくなってしまう。
「まだお仕事ですか? 月城さんもきちんと送らせますのでご安心を」
にこやかな笑みで藤本社長はそう言うと、玲衣さんに笑顔を向けた。
そんな彼に、少しだけ真顔で玲衣さんは、ちらりと私に視線を向ける。
二人にしないで欲しい、そんな思いから懇願するような瞳を彼に向け、口を開こうとした時、私と玲衣さんの間に藤本社長がスッと割って入った。