天帝の花嫁~冷徹皇帝は後宮妃を溺愛するがこじらせている~
 俺は心の中で自嘲した。

(もっと頼れる男になって華蓮を守るはずだったのに。心配ばっかりかけて情けない)

 俺は俯いて目を閉じた。

 すると、華蓮がそっと俺を抱きしめた。

「雲朔は頑張っているわ。あの簒奪帝を倒して、私を見つけ出してくれたんですもの。最高の夫だわ」

 包み込むような優しい声色で華蓮は言った。

 冷え切った俺の心が温かくなっていく。

「本当にそう思っている?」

「ええ、もちろんよ」

「じゃあ、もっと褒めて」

 俺は華蓮の胸に頭を寄せながら言った。

 甘えるなんて俺らしくない。今日は心が疲れているのだろう。

「そうね、雲朔はとても賢いし、強いし、男前だし、優しいわ。雲朔以上の素敵な男性を見たことがない」

 華蓮は思いっきり俺を褒めた。こんな情けない俺でも包み込んでくれる。

「いい気分になってきた。最後にもっと強烈な言葉が聞きたいな」

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