天帝の花嫁~冷徹皇帝は後宮妃を溺愛するがこじらせている~
 錆びついたこの剣でどこまで戦えるか。新しい剣を貰うにしても、必ずそこで隙が生まれる。この人数を一度に相手にするのはなかなかきつい。

「陛下、僕らも戦います」

 俺は、不安そうな顔をしてしまっていたのだろうか。武官の一人がそんなことを言ってきた。

「いや、お前たちは……」

「俺たちは、大栄漢国の武官です。陛下をお守りすることが俺たちの仕事です!」

 他の武官たちも賛同し始める。どんどん士気が高まっていき、俺の声が届かないほど熱くなっていた。

困惑していると、雄珀が俺の肩に手を回してきた。

「お前が皆を守ってやりたいように、皆もお前を守りたいんだよ。お前はいつだって一人で背負い込もうとする。簒奪帝との戦いの時だってそうだ。一人の犠牲者も出したくないってお前は言った。あの時も皆に怒られただろう、学ばない男だな」

 励まされているのか責められているのかわからない言葉だ。でも、不思議と胸が熱くなっていく。
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