天帝の花嫁~冷徹皇帝は後宮妃を溺愛するがこじらせている~
「それはここに来る前に考えたんですけど、今、村内で原因不明の病が流行っているでしょう。その病にお嬢様もかかってしまったので隔離していると言ったら見に来ないでしょう。流行り病は一番怖ろしいですからね」
なるほど、と私は思った。数日前から原因不明の病で倒れる者が出ていて、学堂も休みになっている。医者のいない村に、流行り病はとても怖いものだが、これを利用しようと算段するとは亘々はさすがだと思った。
「さあ、早く。温かい恰好をして、夜まで近くの山で隠れていてください。日が暮れれば、錦衣衛たちも帰ります。この村には泊まるところはないですからね」
私は頷き、継ぎはぎだらけだが温かい上着を着て、平屋を出た。
地元民しかわからない獣道を通る。なるべく遠くへ行かなくては。春なので、上着を着ていると厚くて汗をかく。
上着を脱ぎ、手に持ちながら山を登った。夜になると急に冷え込むので、上着は手放せない。
なるほど、と私は思った。数日前から原因不明の病で倒れる者が出ていて、学堂も休みになっている。医者のいない村に、流行り病はとても怖いものだが、これを利用しようと算段するとは亘々はさすがだと思った。
「さあ、早く。温かい恰好をして、夜まで近くの山で隠れていてください。日が暮れれば、錦衣衛たちも帰ります。この村には泊まるところはないですからね」
私は頷き、継ぎはぎだらけだが温かい上着を着て、平屋を出た。
地元民しかわからない獣道を通る。なるべく遠くへ行かなくては。春なので、上着を着ていると厚くて汗をかく。
上着を脱ぎ、手に持ちながら山を登った。夜になると急に冷え込むので、上着は手放せない。