天帝の花嫁~冷徹皇帝は後宮妃を溺愛するがこじらせている~
(簒奪帝の臣下や後宮妃を宮殿に閉じ込めて皆殺しにしたという噂は本当だったのね。あの雲朔がそんな残酷なことを……)
あの温厚で優しかった雲朔がそんなことをするなんて想像もつかない。
でも、今の雲朔であれば、しそうな気がした。それほど今の雲朔は皆に恐れられているし、圧倒的な威圧感を放っている。
私一人だけのために大きな宮殿が用意されていた。紅閨宮(こうけいぐう)というらしい。
中庭には薔薇や牡丹など様々な美しい植物が咲いていた。
落ち着いた朱色の外観に金の飾りや調度品が飾られていて、見るからに豪奢な建物だが、上品で洗練されているのはさすがだ。
内廊下を歩き、たくさんの部屋を通って最後に案内されたのは、翠帳(すいちょう)紅閨(こうけい)の最上級の寝室だ。金襴杢目で彩られた壁や柱に、かわせみの緑の美しい羽で飾ったたれぎぬと、紅く塗られ飾られた寝台。
宮廷はひっそりとしているのに、私の住まいだけが妙に華やかだった。
あの温厚で優しかった雲朔がそんなことをするなんて想像もつかない。
でも、今の雲朔であれば、しそうな気がした。それほど今の雲朔は皆に恐れられているし、圧倒的な威圧感を放っている。
私一人だけのために大きな宮殿が用意されていた。紅閨宮(こうけいぐう)というらしい。
中庭には薔薇や牡丹など様々な美しい植物が咲いていた。
落ち着いた朱色の外観に金の飾りや調度品が飾られていて、見るからに豪奢な建物だが、上品で洗練されているのはさすがだ。
内廊下を歩き、たくさんの部屋を通って最後に案内されたのは、翠帳(すいちょう)紅閨(こうけい)の最上級の寝室だ。金襴杢目で彩られた壁や柱に、かわせみの緑の美しい羽で飾ったたれぎぬと、紅く塗られ飾られた寝台。
宮廷はひっそりとしているのに、私の住まいだけが妙に華やかだった。