教授の恋愛
「先生ー!」


無邪気な笑顔の舞岡さんがいた。


「先生!バイバイ!」

「バ…バイバイ!」


俺に手を振って、また教室に戻っていった。


まさか…わざわざ俺に『バイバイ!』を言うために出てきてくれたのか?


姿が見えなくなっても、俺の腕は名残惜しそうに動いている。



『バイバイ!』かぁ…。

学生があんな風にフレンドリーに接してくれたのなんて初めてだ。

しかも、恋してる相手に言われた…。

すっげぇ嬉しいし…。

あの無邪気な笑顔は絶対忘れねぇ。

一人寂しく教室を後にした俺の心を暖めてくれた笑顔だけは…。
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