パティシエ総長さんとコミュ障女子


……あぁ。そうだ。


私が毎日外から見ている教室の景色だ。

友達とふざけ合って笑い合う。

いつも外から見ていた日常。

今、私はその内側にいるんだ。


さっきまで、御神楽竜司について考えて重くなっていた気持ちが嘘のように軽くなっていた。



「あ、あのっ……!はら…蓮ちゃん!…ゆっこちゃん!お昼…一緒に食べない…?」



え…?あれ?私…。
今、友達を誘えた…?

すごい、こんなに自然に言葉が出てくる。



「えへへ〜、それさっき私が言ったことじゃん」

「言うまでもないって!」



二人の言葉に心の底が温かくなるのを感じた。

あぁ、話せるんだ、って。

私でも話すことができるんだ、って。

とっても安心したんだ。



「凛ちゃん!」

「凛ちゃ〜ん!」



こんなに気安く名前を呼ばれるなんて、いつぶりだろう。

久しぶりの、くすぐったくなるような感覚だった。
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