パティシエ総長さんとコミュ障女子
「あれ〜?そう?えへへ〜ごめん!」
饒舌に喋っていたゆっこちゃんが普段のおっとりとした口調に戻った。
「うーん、確かに砂糖自体の話する人初めて見たかも」
笑いながら私は答えた。
「でもね!私が味わってきた全国のスイーツの数々、舐めるんじゃないわよ〜!全部レポートにしてまとめてるの〜」
ぬふふ、と変な笑い声を上げながら自慢するゆっこちゃん。
「たとえば、金沢のきんつばは上位に入るよ〜。あれは美味しい!!まさに神が作った甘み!あんこは至高!!」
その言葉に私の耳がぴくりと動いた。
「っ!きんつばいいよね!あれは本当に神か仏か御釈迦の排泄物かってくらい美味しい!!あんこもやばいよね!!」
シーンと静まる二人。
あれ、私何か言ったかな…?
一呼吸おいて、突如笑い出す二人。
「あははは!凛ちゃん、何言ってんの!!例え方すごいね〜!!」
「あんこと排泄物でかけるの好きだわ〜!すごいセンスだね〜!」
あっと思った。
顔が赤くなるのを感じた。
夢中で喋ったからか、ひどいことを言った気がする。
「ご、ごめん!気分悪くした?」
慌てて謝る私に、笑いながら涙を拭く蓮ちゃんがぽん、と肩を叩いた。
「いーよいーよ。面白かったからおっけー!」
あぁ、よかった〜…。
ほっと胸を撫で下ろす。
でも今度から気をつけよう。
そんなこんなで和やかな?会話をしながら私たちは帰り道を歩いた。