パティシエ総長さんとコミュ障女子
翌日、学校に行くと、教室中がそわそわした雰囲気だった。
「え…?何これ。蓮、何この辺な雰囲気は……って、蓮!!」
不安になった私が蓮に聞こうと思ったのに、当の本人が1番落ち着きがなく、そわそわしている。
常に髪を触ったり文房具をいじっていたり、私の声が耳に入っていないようだった。
「ゆっこ…助けて、蓮がおかしいよ。」
ゆっこを見ると、蓮ほどではないが彼女もどこか落ち着いていなかった。
いつものおっとりとした雰囲気が無い。
「凛、知らないの?今日、入学後数日で停学処分になった生徒が戻ってくるんだよ、うちのクラスに。」
げっ、初耳すぎる…。
私、クラスの人の名前も顔も正直覚えていない……。
ていうかこのクラスが何人クラスなのか正直わからない…。
「その顔は……知らなかったのね……。まぁ凛のことだしそんなとこだろうとは思っていたけど…。」
うっ…すみませんでした。
あまりにもクラスで孤立していたので知りませんでした。
「詳しく教えてください……」
机に突っ伏して顔だけ上げて問う。
ゆっこはしょうがないな、という顔をして話し始めた。
「だいたいねぇ、その人は凛の前の席の生徒だよ…。まさか覚えていないの??…まぁ、私たちは席が遠かったから知らなかったけどさ。」
「ひえええ……初耳です初耳です…すんませんでした…。」
私は少々他人に無関心すぎるのかもしれない。