White/Black〜シロかクロかそれとも愛か〜
「あ。俺は先輩じゃないよ。唯ちゃんと同い年」


「えっ?でも“仁”って…」


神月先輩のことを呼び捨てにしていたから、てっきり高2か3だと思っていた。


「幹部同士だからね」


「…朝浜くんも白虎なの?」


「そだよ。知らなかった?」


友だちがいないと、情報も回ってこないからなぁ…。


全然知らなかった。


そういえば、白虎のことは神月先輩が総長であること以外何も知らない。


私とは無縁の世界だと思っていたし…。


「それとねー、俺は唯ちゃんと同じクラスだよ」


「あ…」


ずっと空席だった、窓際の1番後ろの席。


誰も近づかないし、先生も触れない謎の席。


もしかしてあそこが朝浜くんの席?


「今朝はごめんね。廊下から見てたんだけど、助けらんなくて。俺が助けると余計にこじれると思ったから…」


「あ…ううん。私が悪いから」


朝浜くんは何も悪くない。
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