White/Black〜シロかクロかそれとも愛か〜
こんな大注目の中話しかけられたら、学校生活が終わるんだけど…。


でも、確実に目が合ってるし、歩みは私の席一直線。


嫌な予感しかしない。


朝浜くんが哀れみの目を私に向けている。


―ピタリ


神月先輩の足が止まった。


その距離わずか数センチ。


甘い香水にタバコの混じった匂いが鼻腔を刺激する。


「ちょっと来い」


「えっ!?」


グイッと腕を引っ張られたかと思うと、抵抗する間もなく教室から引っ張り出される。


「ちょっと!なんであんな地味子が!」

「うそ!!ありえない!!」


四方八方で悲鳴や怒号が飛び交っていて、とてもじゃないけど顔は上げられない。


「おい仁!待てよ!」


後ろから朝浜くんが追いかけてきていることはわかるけど、それ以外のことは何もわからない。


どこに向かっているのか、なんで私なのか。


「あ、あのっ!」


「なに」
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