White/Black〜シロかクロかそれとも愛か〜
鋭い眼光で見下され、言葉が喉奥に詰まる。


どうして私に執着するのか。


たった一度言葉を交わしただけなのに。


なんでなの。


私、どうなっちゃうの。


わからないけど、一つだけ確かなことはある。


私の高校生活は終わった。


「ここ、俺ら専用の空き教室。くれぐれも他の女は連れてくんなよ」


神月先輩が立ち止まったのは1階の1番奥の教室。


校内図によるとたしかここは旧美術室だったはず。


でも中はそんな面影はなく、黒のカーペットや革張りのソファが置かれている。


ところどころ壁に絵の具だかペンキだかがついているけど、美術室だからなのか暴走族の拠点だからなのかは分からない。


「仁!手荒なことはするなっつったろ」


あとから入ってきた朝浜くんが声を荒らげたけど、神月先輩はそんなのお構いなしにドスッとソファに腰を下ろす。
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