White/Black〜シロかクロかそれとも愛か〜
私ごときが神月先輩と付き合えるはずがない。


付き合っていいはずがない。


それに、私たちはまだお互いをよく知らない。


「ちゃんと話したこともないのに、無理です…」


「なんで?」


なんでって…。


「無理なものは無理です…」


「なら先に姫になれ」


だめだこの人…。


話が通じない…。


困って朝浜くんを見つめても、肩をすくめた呆れ顔が返ってきただけ。


「今日からお前の居場所はここ」


…居場所……。


「白虎の姫になれば誰もお前を馬鹿にしたりしなくなる。悪い話じゃないだろ」


神月先輩がジッと私の瞳を見つめる。


美しい造形の顔が徐々に近づいてくる。


「……っ…」


細くて冷たい手が左頬に触れる。


「かわいい。眼鏡外したらもっと可愛いのに」


…!!


「今日からお前は白虎の姫。これは決定事項だから」


色っぽい雰囲気で言っていることは悪魔的。
< 28 / 56 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop